至福の休日

今日は、たいして早起きをしたわけでもないのに、
(早起きどころか二度寝!)
時間がゆっくりのんびりと流れる至福の日曜を堪能。

台風一過の、少し風の強い道を歩くというのは
なんだかとても心地よい。

髪をぼさぼささせながら写真を撮っていたのだけど、
「ああ、こんな感じ前にもあったなぁ」とふと思い出した。


10代のころ、中退した高校の文化祭へ遊びに行った帰りのこと。
その日も今日みたいに雨風が強かったけど、
でも久々に校舎で友だちと会えるのがすごく嬉しくて
うきうきして出かけた。

同級生が写真を展示していて、
その子はすごくセンスがあって一枚一枚とても素敵だった。
男の子だったのだけれど、
彼の友だちの姿を生き生きと捉えていて
「男の子っていいなぁ」とすごく思ったものだった。

彼の写真を見るたびに「男の子っていいよなぁと思うんだ」
と、お世話になっている先生に話したところ
「今度は『女の子っていいなぁ』っていう写真を
あなたが撮る番だよ」
と言って頂いたのだけれど、未だそういう写真を撮れたなぁ
という感覚がないのが寂しいというか、少し情けない。

後になって、そういえばお世話になった先生方に
挨拶のひとつもせず帰ってきてしまったなぁ・・・と
申し訳ない気持ちもあったけれど、
学校をやめても、仲良くしてくれていた友だちが皆
変わらなくてすごく嬉しかったのを覚えている。

自分も自分で
「もう、この学校に寄りかからなくても楽しくやれるな」
と思えた、なんだかちょっとした節目のような日だった。

自宅に着いて、家の周りで写真をばんばん撮った。
向かい風と雨粒が心地よく、
そういうときは不思議と後になっても
いいなぁと思える写真が撮れる。


まぁ、あの頃みたいに瞬発力でものを感じるような感覚は
すっかり鈍ってしまったようなところもあるけれど、
時間がゆっくり過ぎる贅沢を感じられる歳まで
しぶとく生きていてよかったな、と思う。