羽田空港横のオレンジ色の道

高校受験や中学を卒業するくらいまでは、オザケンの『LIFE』ばかり聴いていた。
入試会場へ向かう電車の中でも「愛し愛されて生きるのさ」。

合格してからは羽を伸ばすの名目で遊びまわる日々でも、
買ってもらったばかりのSONYウォークマンで聴いていた。

ある日秋葉原ポラロイドカメラを買ってもらい、
横浜でゴッホ展を観て、観覧車に乗って、
中華街からちょっと入った狭い路地にある小さな料理店で美味しい晩ご飯を頂いた。
「有名店より、こういうお店のほうが美味しいのだ」と教えてもらった。

帰り道に羽田空港の横に差しかかると、
照明のせいか車が走っている道が綺麗なオレンジ色になった。
ちょうど、大好きな「ぼくらが旅に出る理由」が流れて、
新しい世界に一歩踏み出すまえの高揚感と一抹の寂しさみたいなものが、
自分の中で美しく輝くように弾けていた。

毎日わくわくしていた。
それを象徴するような、オレンジ色の道と大好きな曲。

LIFE

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