大雪の日に押したスタンプ

関東に大雪がやってきた日。
「雪だるまつくりたいなぁ」とか「雪合戦したいなぁ」とか
かまくら入ってみたいなぁ」などという思いを押し殺しつつ
ベッドのなかでうだうだと一日を過ごす。

昔の写真でも漁るかなと思っているとき、驚きの知らせがやってきた。
学生時代に住んでいた寮がなくなったという。

大学のうちの2年間を過ごしたそこでは、
毎日本当にばかなことばかりしていたものだから、今も思い出はきらきらと輝く。

だから、夜中に鍵を開けてくれたおじいちゃんや食堂のおばちゃんのことを思うと、
なんだか・・・というか、結構胸にくるものがあって寂しい。

同じ場所に住んでいた友人たちとも、なんだかうまく言葉にならず、
LINEでスタンプばかり大量に押し合った。


上京するとき、家賃・管理費が安かったことと
わりと学校から近い理由で決めた場所は、受験会場でもらったパンフレットに広告が載っていた。

そのせいか、地方から出てきた子が集う館では
様々なイントネーションの方言はもとより、時折カタコトの英語なんかも飛び交った。
部屋は個室だったけれど、毎晩誰かしらの部屋に上がりこめたのも、
それが当たり前だったのもありがたかった。

屋上の花火、そこからみえた夜景、
わいわい一緒に入ったお風呂、語りあかしてむかえた朝方のコンビニへの道のり。

たくさん写真も残っているけど、
もっともっと撮っておけばよかったと今になって思う。

だから、いとおしい光景は記録しなきゃなぁとしみじみとする。