同窓会でお酌をする女、合コンで料理を取り分ける女

中学の同窓会へ行ったことがない。
会いたい人に限って出席しなさそうというのもあるが、
まぁはっきりいって行っただけ疲れて帰ってくるだけだろうと思われるからだ。

ふいに母が中学の同窓会へ行ったときの話をしてくれた。
ある男性が
「彼女はお酌してまわって偉いなぁ」
と上機嫌で言うらしい。

母は内心
「そんなにお酌してほしけりゃ、金払ってコンパニオン呼べ」
と思ったらしい。

まぁ、そういうことを言っちゃう人に限って学生時代も今も
パッとしないどころか軽蔑されてる人だったりするよね・・・
とか、
お酌を始めちゃう女性がいると、
なんだかこちらまでしなくてはいけない雰囲気になって、
あれは実は結構な苦痛だよね。
と思い出して憤慨する母をなだめることになった。


この話をしていて、ぼんやり
「お酌を始めちゃう女性って、
合コンで料理を取り分ける女の子に似ているなぁ」と思った。

幸い自分は、これまで
「まぁまぁ、君も飲みなよ」と向こうからグラスに注いでくれるような
面白い人と楽しく飲んだことしかない。

今も学生時代の友だちと飲むことは滅多にないが
シラフであほな話で盛り上がれる友人ばかりでよかったなぁと思う。

一方で、忘年会の席でこんなことがあった。
尊敬する方とご一緒したとき、
自分の隣に座っていた年上の女性が
「お料理、持って行ったら?」と耳打ちするのだ。

ビュッフェ形式(?)だったので、まぁ致し方ない事情もあったのだが
若かった自分は慣れない料理の取り分けなんてものを初めて行い、
違うテーブルに座られていたその方の席にサッと置き
「どうぞ」とだけ言って、ろくに挨拶もせずダッシュ
自分のテーブルに帰った。

もうそれからは、
「手を抗菌剤で消毒すればよかったかな」
とか
「食べて頂けるだろうか?」と気になって仕方なかった。

そういうことを気にしながら宴の席を楽しみきれない自分が
自分でもいやだったので、
以来、料理を取り分ける作業は控えておこうと思ったものだ。

私に耳打ちした年上の女性は、そんなことを平然とやってのけ
その上で女性同士で盛り上がっていた。
彼女にとっておそらく、料理を取り分けるなんて挨拶代わりで
あとは宴を楽しめればそれでよかったのかもしれない。


お酌をしたり料理を取り分けたりを普通にやってしまう女性は
その場の男にはすでに興味がないのかな?
と今になっては思う。

男性の目を意識するからこそできないことがある。

そういった点でお酌をしたり、料理を取り分ける女は、
もじもじして何もできない女より、
ずっとドライで”男性的”なのかもしれない。